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フリーウエイトテクニック

ジムにきたけどフリーウエイトコーナーとマシンコーナーがあってどっちをやればいいのかわからないという経験をされた方はいるでしょうか?私も最初の頃はずいぶん悩まされてジムでウロウロしていたことがあります。この記事を読めばフリーウエイトについて全て理解することができます。ぜひ参考にしてください。

フリーウエイトとは

質量が不変で、運動に対する制限のない物体である。

というのが定義です。

これに従うとバーベル・ダンベル・人体は全てフリーウエイトであると考えられます。フリーウエイトはダンベルなどの重量が働きこのダンベルの重量は一定であり重力の方向(鉛直方向)に働きます。

つまりフリーウエイトは重量物を使用した時の重力の方向次第という事になります。
鉛直方向に関しては、フリーウェイトによる抵抗は、ダンベルの質量とその加速度の積に、ダンベルの重量をを加えたものになります。→質量×重力加速度9.81m/s²

物体の重量(W)は鉛直方向以外は0であることに注意します!

原則としてフリーウェイトを動かすには、その力が重量をやや上回る必要があります。そうしなければウェイトは動きません。逆に言えば自分の力がウェイトを大きく上回っていればウェイトは早く動きます。

例えるなら3kg伸ばすダンベルを持ち上げるスピードと20kgのダンベルを持ち上げるスピードの差は自分の筋肉量に依存しているということです。

通常のトレーニングのレップは静止状態(速度は0)から開始して、ダンベルを持ち上げる運動を行い、方向を逆にして(この瞬間も速度は0)再び開始姿勢に戻ります(再び速度は0)。このかなり簡易化した説明から考えると、速度(加速度)は明らかに不変ではなく、動作を通じて変化します。

しかし、動作スピードがかなり遅い場合には加速度をほぼ0とみなし、フリーウェイトによって与えられる抵抗は一定不変でありウェイトの重量(W)に等しいと考えます。

これは動作スピードを遅くすることで加速度の力を借りずにウェイトの重量(W)を直に受ける時間が長くなりことを意味します。そうすることで筋肉に対して抵抗時間を長くし負荷を高めていくということになります。

モーメントアーム

次に動作中の外力は不変であっても内力は不変ではないという説明をしていきます。なぜなら四肢を動かすためには、これらの力が生み出すトルクに体が勝っている必要があるからです。トルクとは力とそのモーメントアームの積のことです。モーメントアームとは力と回転軸の垂直距離のことを言います。フリーウェイトのトレーニング中、モーメントアームは可動域を通じて絶えず変化しています。

四肢の位置が水平である時、フリーウェイトのモーメントアームは最大であり、ウェイトが関節の真上または真下を目指していくにつれてモーメントアームは減少します。関節の真上あるいは真下にでモーメントアームは0になり、したがってトルクも0になります。

つまり回転軸と力の距離(モーメントアーム)が長ければ負荷が増していくとうことになります。
このモーメントアームを理解することでトレーニングの幅がさらに飛躍します!!

例えばレッグカールを立位で行った時はモーメントアームが最大になるのは下腿が水平の位置にある時になります。これをうつ伏せの姿勢でレッグカールを行った時はどうでしょう?モーメントアームが最大になるのは開始姿勢になります。

同様にアームカールを行う時は立位の姿勢だと先程の図で説明したようになります。しかし、プリチャーカールやインクラインダンベルカールを行うときは肘の屈曲90°からプリチャーカール台の角度やインクラインにしている角度を引いた角度になる時にモーメントアームは最大になります!

簡単に説明すると床と並行になった時にモーメントアームは最大になるのです。
この考え方を適応すると、可動域の別の位置で筋組織に負荷がかかるようにトレーニングを調節することができます。

今説明したのは単関節運動(アームカール・レッグカールなど)の話ですが多関節運動(スクワット・ベンチプレスなど)の適応の話をしていきます。

スクワットやベンチプレスのテクニック

多関節運動(スクワット・ベンチプレスなど)にはバーの軌道は線運動のように見えるかもしれません。しかしその線運動もまた関節におけるモーメントによって生み出されています。

スクワットやベンチプレスにおいてもリフトの下部でモーメントアームが最長になり上部に向かうにつれ減少します。1番上ではモーメントアームは実質0になり、筋肉での保持はほとんど必要とされず骨でウェイトを維持していることになります。

要するにスクワットをはじめる際に最初のスタートポジションに持っていくだけなら100kg程度であれば一般的な男性ならできるでしょう。しかし下ろしていくにつれモーメントアームが長くなり筋肉で保持する量が増えるためほとんどの人ができなくなるということを表しています。

多関節運動中、テクニックのバリエーションによって、筋に対する要求をある関節方別の関節へと移動させることができます。

例えばスクワット中に体幹伸ばす前傾を大きくすればウェイトは前方に倒れようとし、これによって股関節と足関節のモーメントアームが長くなり、膝関節のモーメントアームが短くなります。その結果、臀部やふくらはぎへの要求を増大させ、大腿四頭筋への要求を減少させることができます。

そして動作課題の力学的な制限にも注意を払う必要があります。スクワットなどのリフト中はバランスを維持するためにバーベルと挙上者を合わせた重心線が足によって作り出される支持基底面内にとどまり続けなければいけません。

つまりバーが背部の低い位置(ローバースクワット)の場合には先程述べた理由によって股関節伸展筋(臀部)と足関節底屈筋(腓腹筋)に対する要求が増大し、膝関節伸展筋(大腿四頭筋)に対する要求を減少させます。

逆にバーが肩の位置(ハイバースクワット)の場合は挙上者は直立に近い姿勢をとる必要があり、膝関節伸展筋(大腿四頭筋)への要求が増大し、股関節伸展筋(臀部)と足関節底屈筋(腓腹筋)への要求が減少します。

まとめ

これがフリーウェイトの基本的なバイオメカニクスになります。
一重にフリーウェイトと言っても基本原理を理解することで怪我の防止やトレーニングの効果を最大化させるためにとても重要なことになります。

自分なりに簡単に説明したつもりですが少し難しくなってしまったかもしれません。しかし、ぜひ読んでいただければ必ずあなたのトレーニングを向上させることができるので参考にしてください。

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